双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

若者たち

|雑記|


やれやれ。長くてしんどかった盆休みがようやっと終わり、
心身共にふうっと力が抜けて、久々の涼やかな空気に安堵する。
連休の始まる前と中程だったろか。夏休みと云うこともあり、
昔から知る知人のお宅の娘さんや息子さんたちが、
奇遇にも立て続けに訪れて、数年ぶりに顔を見せてくれた。
つい数年前まで高校生だった少女が、あっという間に大学を出て、
教員として中学校で教鞭をとって居る。また別の子は、あらまぁ。
きりりとしたパン職人となって、毎日実直にパンを焼いて居る。
実に十年ぶりで訪ねてくれた子は、最後の記憶が小学五年生。
それが今や誰だか分らぬ程に大きくなって(笑)、大人びた顔つきで、
実に名門高専校の最終学年だと云うのだからなぁ。


彼らは、子供の頃に親御さんやお爺様ら大人に連れられて、
この店で過ごした時間のことを、ちゃあんと覚えて居てくれる。
大きくなってからも節目節目に来店して、近況報告してくれたり、
大学以来住まいが遠方になってからは、帰省の際に訪ねてくれたり。
成長過程を知る度合いは異なれど、どの子も本当に立派になって、
地に足の着いた、自分の人生をしっかりと歩んで居るんだなぁ。
そんな皆を前にして、何だか、ホビ小母ちゃんは感慨深くて、
自分に子供は居ないけれど、実に誇らしい心持ちになったよ。
片や我が身の同じ年頃を振り返れば、毎日ちゃらんぽらんでお気楽で、
彼らの姿の幾分にも及ばぬ、全くの体たらくであったことか。
それがそのまま大人になり「あんな大人になってはいけないよ」
の見本のよな、こんな大人になってしまった訳で、全くもって、
あと数年もすれば知命と云うのに、楽々高座椅子に寝転がって
あずきバー齧り齧り、銀魂など読んで居る場合ではない。
まぁ尤も、今更どうにかしてどにかうなるのでも無いけれど。


店の前の駐車場で、飛べるよになったばかりの縄跳びを披露してくれた子。
幼い弟に髪が束に抜ける程引っ張られても、お姉ちゃんだからと我慢して居た子。
両親の不仲が原因で姿を消した飼い猫の話をしながら、目に大粒の涙を浮かべて居た子。
折に触れて成長を見てきた子供たちが、すっかり頼もしい立派な若者になった。

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