双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

日々の地団駄

|日々|


毎日毎日、よくもこう曇天と雨ばかり続くものだ。
尤も。梅雨であるから曇天も雨も当然なのであって、
梅雨らしい梅雨と云えば、実ににその通りなのだろうが、
昨年の空梅雨の憶えの所為で、余計に鬱陶しく感じられる。
そんな天気ばかりが暫く続けば、案の定、客足も寂しくなり、
そうして生まれた不本意の暇を埋めるため、何某かの
代わりを見付けては、それに没頭せざるを得ぬのだけれど、
かと云って庭いじりは無理ときて、鬱蒼と茂り過ぎた在り様に
やきもきしつつも、是を諦め、屋内へ対象を求めては、
台所の掃除から始まってフロアへ移り、換気扇だエアコンだ。
本の整理やら手入れやら何やらかんやら、細々種々。
その内にとうとう遣りつくして、するべきことは尽きてしまった。


ぼんやりと、飽き飽きと。窓の内側より雨空を見やる。
今、掌の上に在るものは、果たして何なのであろう。
書くほどにも及ばぬよな、些細なこと。
書きたい気もすれど、ここへはあえて書かぬこと。
(或いは、書くべきではないよに思えて、奥へ仕舞ったこと)
言葉にならぬまま消えてゆくもの。
言葉になるのを待って居るもの。
やれやれ。何処を向いても塞がって霧の中。
書くも書かぬも、進むも戻るもままならず、日々は地団駄ばかりだ。

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