双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

私と春

|縷々|

春霞に覆われた山の輪郭がぼんやりと。
小学校の敷地をぐるりと囲む桜が満開で、
薄く白んだ花弁が四月の風に散って居る。


嗚呼、私は春が苦手だ。
満開の桜の中へ身を置くのも、やはり苦手だ。
むせかえるよに、一斉に隙間なく花を咲かせ、
吹雪の如くにとめどなく散り、
見上げれば高いところから、
分厚い白昼夢が覆いかぶさってくるよな、
もやもやと、むわっと息苦しいよな心地がして、
上気したよに気分が悪くなって、どうも駄目なのだ。
そもそも春と云う季節の様相も又、それと同じ気がする。


所々に花を残した葉桜くらいが、私には丁度良い。

<