双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

八月随想

|縷々|


夏の印象の薄いまま、夏を見送る。
素っ頓狂な空模様に、慌しい夜具の足し引き。
八月を仕舞うと、九月をすっ飛ばして、
十月があっと云う間にやって来て、
そうして十月に入ると、もう年末が見えてくる。
感覚と云うのか、体内の暦と云うのか。
私の八月以降はいつも、そんな風だ。


ここ暫くは、野暮用も大事も急ぎも、
皆同じ線上に並んで、順に待って居るのを
只、手前から黙々と淡々と。
ぎゅっと集中して、取り組んで居た。
その間は、余計なことの割り込む隙が無いから、
シンプルで、規則正しくて、何だか新鮮で。
けれど、そんなことが延々続けば、窮屈になるに相違無く、
いつも平坦なところへ、たまに緩急の在るくらいが、丁度良い。


|映画|


パーマネント・バケーション [DVD]

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どうしてだろ。季節が今頃になると、観たくなる。
夏の残りに漂う気だるさが、永い永い休暇を思わせるからかな。
”何処か”と”何処でもない”の間の、宙ぶらりんの場所で、
終わらない夏休みのまま、ずうっと彷徨って居たかった日々。

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