双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

四月随想

|日々|


四月も末の頃となり、
庭の草花らのもりもりと威勢よく葉を茂らせる、清々しい様よ。
バラの蕾も日に日に膨らみを帯び、健やかに育った姿へ目を細める。
猫らは猫ら。
剣菱嬢との距離は今や爪切り、耳掃除を許されるまでに至り、
嗚呼、遥々と。しみじみと、空を仰ぎながら、
そのちんまり丸こい前足を、そっともみほぐす。
拙宅の箱入り坊っちゃん二頭は、益々毛並みも艶やかに。
平素はあっちとこっち。其々に過ごして居っても、晩の薄ら寒さに
一所の寝床へぎゅうとくっ付くなどして、良い塩梅に過ごして居る。


こんな、ひどくちっぽけで、ささやかで、まったく取るに足りぬ、
けれども、私には大切な、日々。

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