双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

春の便り

|日々|

とつとつと三月は進み、じきに四月と云うところで、
季節は再び足踏みし、春の入り口で座り込む。
そんな三月の末の頃の土曜日。
遠方より、Tさん夫妻が店を訪ねて下さった。
二年と少しぶりだったけれど、どうしてだか、
それがつい、先月だとかの気もしたりして。
薄い雲の間から日が差しても、北風の止まぬ
土曜日の午後は、いつもより少しのんびりした
土曜日の午後で、まるでそこだけぽっかりと
空いたみたいになって、ゆっくり過ぎて行った。
見慣れた筈の変わらぬ日常の風景の中に、
至極当たり前のよに、Tさんたちお二人が居て、
私はそこで当たり前のよに珈琲を入れたり、
食パンを切ったり、レジを打ったりする。
Aちゃんも、剣菱も居る。


こんなちっぽけな場所へ、心を寄せて下さって有難う。
北風を見送って、木々の蕾がほどけ出して、
窓を開けて深呼吸して、ぐっと大きく背伸びしたら、
この辺りも、ようやっと春になるでしょう。

<