双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

梅雨と修羅

|雑記|


先週末より、慌しく些事大事が種種舞い込み、
ああだこうだと振り回されて、ようやっと人心地。
ついこないだまで、やれ手持ち無沙汰だ、退屈だ、
などと持て余して居たのに、何とも皮肉なものである。


到来物の明太子煎餅をほうじ茶と共に頂きながら、
何とは無し。宮沢賢治と岩手に関する旅の記事を
読んで居たら、不意に胸がぎゅうとなった。
粗忽と粗雑が服着て歩いて居るよな私だのに、
気付けば賢治へ心を寄せてしまうと云うのは、
作品自体の魅力は勿論なのだけれど、恐らく。
自分には持ち得なかった、誠実と純粋と。
信念と愚直と。又、そうしたものを持ち続けて
生涯を送った生き様へ遥々と憧憬するからだろか。
文中の池澤夏樹氏の言葉を借りれば、
「たぶん、矛盾を抱え、反問し、それでいて
生き方が誠実な宮沢賢治という人物が好き」
なのかしら、などと想う。


夜になると、梅雨らしからぬ、鞭で叩くよな雨。
昨日まで気を張って居たのが、急にほどけて、
またぼんやり。手持ち無沙汰が戻った。

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