双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

太極拳は武術です

|太極拳|

本日の太極拳は、ベテランさん二人が揃って
欠席につき、初心者組のみの練習と相成り候。
従ってYさんによる個人指導も、残念ながら
次回に持越しであるが、今回は時間もスペースも
たっぷり出来た分、いつにも増してみっちりと、
そして、大変に興味深いお話を交えながら、
基礎から四式までを指導されることとなった。
太極拳はね、踊りじゃなくて、武術なんですよ」
つまり、武術と云うからには、当然対峙する
対戦相手が居る訳で、その相手との攻防が
そのまま、太極拳套路となって居るのである。
例えば”野馬分鬃” であれば、弓歩の姿勢で
下に来る座腕は、出された相手の手首を掴み、
前の手は、相手の脇から入れて胸へ、と云った
具合に、其々の套路で、自分の目の前に相手の
居ることをイメエジすれば、手の位置や姿勢、
足の位置も自ずと決まってくる、と云う訳である。
套路は一人で行うが、その際に相手の存在を
イメエジすることで、動きの意味が明確になる。
成る程。二人一組となって、実際にやってみる。
例えば、相手が突き出して来る腕の肘の位置を
想定するなら、相手の肘を押さえるこちらの手は、
頭でも顔の前でも喉下でも無く、丁度、攻撃を
受ける胸の高さとなろう。実に分かり易い。
先生曰く、指導者の中には、こうした套路の持つ
攻防の意味を殆ど教えずに、只形だけを教えて
済ます人も多く、そうなると、結局は盆踊り的な
もので終わってしまい、太極拳本来の奥深さが
分からぬままとなって、非常に残念なのです、と。
そんなお話をじっくりと聞き、それを踏まえた上で、
一人一人が繰り返し厳しく套路の指導を受ける。
最後に、続く五式”手揮琵琶”(ショウホイピーパー)を
攻防の意味も含めて教わり、皆、いつもよか多めに
汗を流して、本日の練習を終えたのであった。*1


+++


余談:
練習後、表へ出たところで初心者生徒さんの一人が、套路の名称が中国語だから、口で云われてもちんぷんかんぷんで...と仰るので、二十四式の套路を振り仮名付きでまとめたものを、コピーして次回お持ちしましょうか?と申し上げたところ、手を叩いて喜ばれた。「先生、黒板に書いてくれたら良いのに」と些か不満らしいが、先生も一人で大変なんですよぅ...(笑)。

*1:さすがに、膝と腿が筋肉痛になったヨ...。

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