双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

食い意地 愚かしき個人的な嗜好

|戯言|

天麩羅にソースをつけて食す人が在るが、
予てより、どうにもあれには賛同できない。
からりと揚がった天麩羅は、生醤油、
もしくは、正統な天つゆでこそ食したいと想う。
しかし。
一晩置いた、前日の残り物の天麩羅、
それも茄子に限ってだけは、例外である。
かき揚げや海老などは是に含まれぬが、
何故だか、前日の残り物のふやけた茄子だけには、
醤油でもつゆでもなく、断然ソース*1が合うのだ。
天麩羅を拵えるときは、是が食べたいがために
茄子ばかりを多めに揚げて、わざわざ残す程である。
一往にこの手の事柄と云うのは、端からすれば
実に馬鹿馬鹿しく、実にくだらぬ些事に過ぎぬが、
食い意地とはそもそも、そうしたものであろう。

*1:ウスターでもとんかつでも無く、中濃。

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