双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

日曜狂騒

|日々|


からりときれいに晴れたは良いけれど、
昼過ぎから次第に北風が強まり、夕刻前には
殆ど暴風となって、一向に止む気配が無い。
草っ原のすっかり背丈の伸びた雑草も、
隣家の立派な庭木の梢も、
路肩の交通安全の幟も、
皆一緒くたに同じ向きへ流され、傾いで、
暴風の荒波の強弱に翻弄されて居る。
うんざりして道路へ目を移せば、
何処かの畑から飛んできたと思しき肥料の空袋が、
まるで生き物のよにバタバタと。
右へ左へ、上へ下へ。
気味の悪い不規則な動きで移動してゆく。
こんな時期に、こんな馬鹿みたいな、風。
それが一旦、建物の中へ入ると云うと、
まるで表の狂騒が嘘みたいに静かだ。
少し肌寒くなってきて、熱い紅茶を淹れた。
夜、店を仕舞って部屋へ帰ると、
季節はずれの迷惑な狂騒を他所に、
猫たちが其々の寝床で眠って居た。
そうか。ここは何の心配の要らぬ場所か。
二つの異なる寝息を後ろに聞きながら、
取り込んで放置してあった洗濯物を、畳む。

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