双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

お彼岸の花

|縷々|


お彼岸の入りになると、Aちゃんにお願いして
出勤前に駅前の花屋さんで花を買って来て貰う。
この花屋さんは他所の店に比べたら小さくて、
数や種類を多く揃えて居る訳ではないのだけれど、
少数精鋭と云うのかしら。ちょっとめずらしいのや
気の効いたのを扱って居て、値段も良心的。
今年の花は、カモミールに藤色のスイートピー
落ち着いた赤のガーベラと同じく小花のアスター
Aちゃんとお店の人とで選んでくれたのだそうだ。
半分くらいに茎を切って西洋芥子の瓶に生け、
見慣れたアーロンの遺影の横へ飾る。
赤の分量が丁度良い塩梅だから、ちいとも派手とならず、
摘んで来た野の花を生けたみたいな佇まいで。
爺さんらしい、こじんまりして控えめな供え花となった。

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