双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

若旦那の経過

|若旦那|


二十七日(木)
退院時に「是で大体は尿が出るよになる」と云われて帰って来たが、出るには出るものの、猫砂にほんの小さなシミができる程度。こんな塩梅では、とても出て居るとは云い難いので、夕刻にお医者へ。触診とエコーによると、膀胱内に尿は思いの外溜まっては居らず、圧迫による排尿を施したところ、尿の出が非常に細いと云う。軽い膀胱炎は起こして居るが、陰部や尿道が特に炎症を起こして居る訳でも無く、まして石が在るのでも無い。尿検査の結果はと云えば、pHは正常値まで下がり、ストルバイトは検出されたが至極微量。先生「う〜ん」と首をかしげてしまった。「普通なら、もっと出て良い筈なんだけどなぁ」 ”普通”であればそうなのだろうが、何しろ、若旦那は色々と”規格外”なのである。つまり”普通”じゃないのである。念の為、と五日分の消炎剤を処方されて帰宅。


二十八日(金)
そろそろ忍びちゃんの漢方薬をお願いする頃であったので、漢方の若先生に詳細を相談して、若旦那の薬も一緒に調剤して頂いたのが、本日届く。若旦那の薬の中身は、田七人参など数種類を合わせた散薬で、是を一か月間、一日二回服用する。田七以外は忍びちゃんと同じだが、若旦那のは一寸だけ苦味が在り、飲んでくれるか心配するも、難無くご飯と一緒にぺろり。早く効果が出てくれることを祈る。


二十九日(土)
朝起きると、四つ在る内の厠Aに猫砂の山。出て居るかしら...と確認したところ、小さな小さな塊を発見!先日までの、塊にすら満たないよな、お小水のシミとは明らかに違う。親指の先程ながらも、一応は塊となって居るじゃないか。漢方服用二日目にして、早くも進展在りである。又、この日から若旦那は、猫厠を手当たり次第に使うことを止め、以前通りに、お小水の際は厠Aのみを使用するよになった*1。加えて、厠へ行く回数も次第に落ち着いて来た風。


三十日(日)
朝の排尿を確認すると、実に!お小水の塊が親指の先程から、小玉サイズになって居るではないか!若先生の見立て、調剤の確かさよ。日中の排尿回数は三回で、其々は小玉だが、それらを皆合わせると、正常時の一回分相当弱は在るかしら。お小水のストレスが激減した所為か、若旦那も調子が良さそうで何より。このまま次第に厠へ向かう回数が減り、その都度尿量が増えてゆけば、順調に快方へ向かって居ることとなろう。西洋医学的な治療や処置は、勿論必要だけれども、其処へ至極真っ当な選択肢として漢方を加えられたら、どんなにか素晴らしいのになぁ...と。そんな夢のお医者が身近に無いのが、心底残念である。

*1:因みに平素の若旦那は”小”には厠Aを、”大”には厠Cを使用。忍びちゃんは小と大とを問わず、主に厠Dが気に入りであるらしいが、頓着が無いのか気分次第なのか、ほぼ全厠で用を足して居る(笑)。

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