双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

横着の寝袋

|日々|


九月も半ば。暦は秋を迎えながらも、
日中は未だ日差しが強くて、
季節と季節とが交錯して居る。
それがいざ、夜になると云うと
途端に秋の顔となり、夜更けの薄い夜具の中、
肌寒さに身じろぐこととなるのだけれど、
羽根布団は押入れの布団袋に納まったまま。
横着は一先ず、暗がりの中を夢遊病者のよに歩き、
玄関の棚から寝袋を引っ掴んで持って来ると、
其処へ潜り込んで上から夏掛けを重ね、
ふうと安堵した後、深い眠りに就いた。
急場凌ぎは否めぬものの、是が案外快適なもので、
何やらもう暫くは、このままでも良いよな気がする。

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