双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

四月雑感

|雑記|


四月も疾うに半ばを過ぎ、
季節はそろそろ新緑へ移ろうか、
と云う頃合であるけれど、
日が暮れれば未だ薄ら寒く、
相変わらずズボン下を穿き、
湯たんぽも仕舞えずに居る。
この、一見春の体裁をとりつつも、その実、
春もどきのよな四月には、閉口しきり。
しかしながら、斯様な季節の惑わせに
ああだこうだと云って右往左往するのは、
恐らく、我々人間だけなのかも知れない。
眺めやる山肌へ、つい先頃まで淡く滲んで居た
水彩画のよな山桜の薄桃や黄緑は
徐々に緑の色味を濃くしながら、確かに、
新緑のそれと入れ替わりつつある。


夕暮れ刻に外へ出て、ひとつくしゃみをすれば、
何処に居たのか。
山鳥がバサと飛び立った。

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