双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

ひとつ安堵

|忍び|


去る二十五日。忍びちゃんの去勢手術が無事終わった。
数日前に行われた三度目の血液検査では、BUNの数値が正常範囲内となり、高めのリンについては、成長期であることも関係して居ると思われるが、全体的に概ね安定して居ると考えて良いでしょう、と云うので、静脈から点滴を入れるなどして、腎臓への負担が極力掛からぬ方法で、週明けに手術の行われる運びと相成ったのである。
当日、忍びを置いて帰ってきてから迎えに行くまでの六時間半は、全く気が気でなくて、テレビを観ても掃除をしても、心此処に在らず。午後四時頃に電話で無事に手術が済み、麻酔から醒めて経過も良好であるとの連絡が在り、幾分ほっとはしたものの、それでもやっぱり心配な心持ちのまま六時に迎えへ行くと、通された部屋のケージの中で点滴を施され、ちょこなんと大人しく香箱を組んだ忍びの姿が在った。「お疲れさん、さあ一緒に帰ろうね。よく頑張ったね」と声を掛けたら、目玉をくりとさせ、ニャと短く返事をした。看護師さん曰く「手術の前も後も、ずうっとお利口だったんですよ。小さいのに本当に偉かったねぇ、って」
術後二日間程は、何か在っても迅速に処置ができるよに、と点滴に使った針を留置したまま帰宅。しかし帰宅して間も無し、忍びは今までお利口さんで居た反動からか。あれも嫌い!これも嫌い!全部嫌いじゃ!と暴れまくり、ちょっと目を離した隙に、前述の留置針も根性で齧って抜いてしまったのであった。「あのね、うっぷん晴らしは分かるけど、今日は安静にしてなきゃいけないのヨ...」主の心配も他所に、ひとしきり暴れたら、ようやく気が済んだのだろ。二時間程経ったところで、自分から寝床へ入っていった。ふう。


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本日術後二日目。手術の影響からか、未だ便通の無いことを除けば、忍びちゃんはすこぶる元気で食欲も旺盛。特に何事も無ければ、ひと月後に血液を検査する予定である。ちなみに今のところ、通院では血液検査のみで、先週から療法食へ切り替えた以外、投薬など治療の類は一切施して居ないのだが、これから長く続くであろう日々のケアについては、漢方の力を借りながら腎臓諸々を整えてゆければ良いな、などと考えて居る。

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