双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

ビルボの回復

|忍び|


ビルボ殿に原因不明の異変が表れて、早六日。なるたけ安心できる環境を拵え、こまめに様子見し接してやる内に、どうやら段々と落ち着いてきた風である。昨日辺りから随分のびのびと過ごせるよになって、縮こまっておどおどすることも、頭や耳を振る動作も殆ど見られなくなった。時折、表で大きな物音がすると、ビクっと強張ることは在るものの、いつも通りに声が出て、ちょらちょらと遊びにも興じるなどし、何はともあれ、先ずは一安心と云ったところである。
さて。ここ数日、様子を観察して居て気付いたのだけれども、頭や耳を振ったり、背中が小刻みに強張ると云った、所謂チック様の症状の出るのは、大抵が物音に対して怯えたり過敏になるときであったから、そうなると、やはり是は病気に因るものでは無くて、何らかの精神的なショック(恐らくは茶トラとの遭遇)から来るものであったと思われる。見守りと安心できる環境の下で緊張や恐れが和らぐに連れ、少しずつ元の平らな状態を取り戻したのだろ。異変にすぐ気付けたのも幸いであったが、子猫だけに立ち直りが早かったのかも知れない。
しかしまぁ、猫と暮らすと、つくづく思いがけぬことが在るものだね。



ヒゲもぴーんと、もうすっかりいつもの様子。良かったねえ。

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