双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

前日談

|忍び|


先日、何気無く知人女性に子猫を保護した、と話したら「それって、もしかして○○の駐車場?」と意外な問いが。経緯を詳しく説明すると、知人女性は「うわぁ、今鳥肌立っちゃった!」 
聞けば彼女が去る朝、子供を幼稚園へ送った帰りに、件の駐車場付近で母親たちと立ち話をして居たところ、側溝の奥から子猫の鳴き声が聞こえて来て、三人がかりで助けようと試みたものの、子猫は脅えて逃げ惑うわ、蓋は開かぬわで、泣く泣く断念せざるを得ず、其処へ早番と思しき従業員らが出勤してきたので、事情を説明。やはり側溝の金属の蓋はちょっとやそっとじゃ外せぬらしく、しかしながら「分かりました。何とかしてみます」との言葉に、一先ずは安心して帰って来た。ところが、それから一向に子猫の話は聞かれず、スーパーに貼り紙らしきも無い。一体、あの子猫はどうなってしまったのだろう。以来ずっと気に掛かって居たのだと云う。
「鳥肌が立ったって云うのはね、実はあのとき、ふっとホビさんのことが頭に浮かんだの」でも、ホビさんの所には前から猫が居るしなぁって。それがこうしてホビさんに助けられて居たなんてねぇ。本当にびっくりねぇ、と。いやはや、こちらもびっくりであった。
しかし一つ気になるのは、スーパーの従業員たち。彼らが出勤し、他の皆に伝えた結果、面倒事と判断され「どうする?」「まぁ、いっか。」と云った具合に”聞かなかったこと、見なかったことにしよう”となったのだろか。ふむ。何れにせよ、今こうして拙宅に暮らせて居るのだから、私もその話は聞かなかったこととしよう。




只今の目方は凡そ八百五十グラム。やって来たときの倍以上となり、日々順調に育って居りますヨ。

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