2013-03-31 冬、帰る。 |日々| 去った筈の冬が出戻って、哀れな春は所在無い。 しかし春と云ったって、目前に四月を控えながらも、 ここの桜は未だ蕾のまま、枝も寒々しく、 先週にようやっと木蓮が咲いたくらいであるから、 こちらは然程、面食らいもしないのだけれど、 当の春めとすればさぞや口惜しく、心苦かろうて。 箪笥よりセーターを取り出し、スボン下、 厚手の靴下などで、冬めいた身支度をする。 猫の毛皮は、再びむくむくとして居る。 冷えた蛇口に触れると、指先が反射的に離れた。