双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

雪の日

|音|


朝、目が覚めると、部屋の中はしんと冷たくて、
カーテンの向こうは、寒々と薄暗いままだった。
やがて雪は吹雪となって、頼り無い窓枠を震わせ、
唸り声の中に、全ての音をのみこんでゆく。
グールドのバッハを小さく聴きながら、
室内に靴下を編んで過ごす、雪の一日。
静謐で心地良いリズムに、針の動きを合わせて。


バッハ:平均律クラヴィーア曲集

バッハ:平均律クラヴィーア曲集

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