双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

モヘアのトリニティカーディガン

|手仕事|


『冬の日の編みもの』より『モヘアのトリニティカーディガン』仕上がる。



小物製作を幾つか挟みながら、ちまちまと編み進めて居たカーディガン。モヘア使いと云うと、どうしてもガーリイ過多になりがちのものが多く、つい気後れして敬遠して居たのだけれど、こちらは同じモヘア使いでも、何処か気の抜けたよな、とぼけた佇まいが如何にも三國さんらしくて魅力的だし、色味も押さえ気味なのが良いなぁ、と。編み出しが水玉みたいだから、サリンジャー新潮文庫なんぞ添えてみる。


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正面と後姿。

テキストによれば、極細のモヘア糸を実に六本どり(!)で編むとあり、更に指定の糸は一玉が七百円以上の高級モヘア糸。素直に指示に従うとした場合、結構な金額になってしまう。どうにかならぬものかしら、と考えた末、近場で手に入る手頃な合太相当の糸を二本どりとすることで、是を解決した次第。幸いなことに、オフ白とグリーンは指定の色と似通った色のものが特価で見付かった。グレイの糸については、先月の出先でたまたま見付けた、元は高級輸入糸である特売糸。こちらはやや太めであったので、そのまま一本どりで。
そうこうして無事に完成した訳だけれども、何せ使った針が7mmだもので、只でなくとも編地の緩くなりがちな私の手に掛かると、案の定。全体的にくったり、びよ〜んと伸びたよな仕上がりに・・・。特に衿元が、ねぇ・・・。やはり二本では、糸の密度が足りなかったのかも知れないな。三本にすれば良かったな。でも、折角苦心して編んだのだから、ええ。ちゃんと着ますヨ(笑)。


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のんびりした味の在る佇まいは、編み出しのトリニティ・ステッチと、裏メリヤスとの組み合わせの功。裏メリヤス編みだと、糸の変わる段の感じが編地に表情を加えるのも良い。かあいらしさの中に、ちゃんと"ぴりり"が在る。だから三國さんの作品って好きさ。

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