双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

さしみ遊園

|若旦那|



拙宅の玄関を入ってすぐの所に在るコンパネ張りの板間は、雑多な納戸である。通称"さしみ"と呼ばれて居り、是は昔バンドの練習部屋として使って居た頃、防音のため、コンパネの上から適当な発砲スチロールを貼ってはどうか、との企てが持ち上がった際に、発砲スチロール→魚屋→刺身、と云う実に安直な連想からついた名で、結局これは為されぬままに終わったのだが、活動の疾うに無くなった今でも、その名だけが残って居る訳なのである。
さて、その"さしみ部屋"。納戸としての役割に加えて、若旦那の猫タワーやらトイレ、餌場なども置かれて居り、もう見た目もすったくれも無い、実にお見苦しいばかりの有様である。又、若旦那は爺様と異なり滅法の高所好きなので、ここに置かれた猫タワーだけでは飽き足りぬのか、壁に掛かった登山ザックを始め、下駄箱。茶の間へ移ってコンポの上やら本棚の上やら。あまり登ってほしくは無い場所にまで登りたがり、是を解消する手立てとして、実は以前よりさしみの壁面へ、所謂"猫通路"よのなものを設える、と云う計画を地味に温め続けて居たのだけれども、それが先日たまたま、知り合いの材木屋から、幾分反りの入った2m長の杉板を三枚ばかり頂戴できることと相成ったため、こいつは好機と、予てよりの計画を実行に移した次第なのだ。
是を以って、"さしみ部屋"から改め『さしみ遊園』と命名したいと思う。

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お見苦しくて甚だ恐縮ですが『さしみ遊園』を、ちょいとご紹介。



猫タワーを中心に、若旦那気に入りの箪笥の上、西の窓辺のタム*1などを含めて全体の動線を考え、配置決め。其々の場所へ合った寸法に裁断の後、表面と角に軽く鑢をかけた棚板を、壁面三箇所にL字棚受けで設置。壁面が途絶える箪笥とタワーの行き来は、空中に板を渡すことで解決した。





空中渡りは、見て居る側にもなかなかスリリングな眺め。慣れたのは結構だけれどもね、あなた。主に似てそそっかしいのだから、気をつけなさいよ。



【左】その空中通路を渡った先には、タワーへ向かうための棚板が在るのだけれども、奴さん。タワーとは反対側に在る、やっつけ余震対策のガムテープ痕が実に遣る瀬無い、オンボロ音盤棚*2の上へも目を付けた模様。それについては考えの外であったものの、どうやら寛ぎの場として使いたい風であるので、やれやれ、と乗せてあった段ボール箱を片付け、一先ずは其処へマットなど敷いてやったところ、早速にご覧の様子である。
【右】設置すぐには、高所好きのくせして、おっかなびっくりの及び腰であった若旦那。仕方が無いので、おやつとおもちゃとで誘導するうち、数時間後には自ら勝手に乗り降りするよに。しめしめ。

*1:かつての練習部屋、唯一の名残りと云えば名残りかも。

*2:元・粗大ゴミ。

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