双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

入道雲と鱗雲

|日々|

日中の秋夏ないまぜの奇妙さ、相も変わらず。
見上げた空には入道雲と鱗雲が隣り合い、
秋の大運動会に集う人々は、真夏の装いである。
昼餉など、いったい何を拵えたら良いものかと、
冷蔵庫の棚をじいと見詰めては、溜息も出る。
是には猫で無くとも、いい加減にうんざりとし、
彼らの作法に倣って不貞寝、としたいところが、
しかしながら、当方の所属は人間であり、
曲がりなりにも、一応の仕事らしきも持って居て、
それで金銭を稼がねば暮らしてゆかれないため、
幾らうんざりだ、辟易だと云って、
日がな猫と横並びに不貞寝して過ごすなんぞ、
世間的にも、道徳的にも、
決して感心できた行いとは云えず、
したがって是を諦めて活動し、働くのである。
そうして、ようやっと過ごし易くなる夜の頃には、
心身共に弛緩、だらりとするばかりとなって、
取り込んだ洗濯物が未だ手付かずの塊のまま、
床の上から無言の威圧に訴えるを知るも、
ぐずぐずと腰重く上がらず。
猫の腹をまさぐるなどする内、
只、時間だけが無為に過ぎてゆくのであった。

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