双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

続・自転車と私

|モノ|


【前日の続き】
かくして、心身共にぐったり。すっかり意気消沈して居た私ホビなのであったが、ぼんやりとあずきバーをかじりながら、ふと想った。タイヤなぁ。一般的なクロスバイクの700Cじゃなくとも、別段構わぬのではないか。スピードは出りゃあ出た方が良いかも知れぬが、どちらかと云えば、自転車にはスピードよかむしろ、頼もしさだとかタフさを求めたい。それに、ここ田舎では舗装道路と云えども、凹凸の在る悪路の方が圧倒的に多く、まして自転車用のレーンなんてものは皆無である。又、海の後ろに山を背負って居るから、アップダウンもカーブも多い。ならば同じクロスバイクでも、少々太目の26インチタイヤを履いた、MTB寄りの車種を選んだ方が良いのではなかろか。ふむ。私の体躯にも気性にも、その方がずっと合って居る気がするな。そうとなれば、あずきバーなど虚ろにかじって居る場合ではない。気を取り直して車種選び再開。
でもって、オリンピックの深夜放送を傍らに、根気強く探し回るうち、と或る店舗にて「是ならすぐにでもお出しできますヨ」と云う車種を見付ける。



こちら。

MARIN CORTE MADERA SE
米国は『MARIN』と云うMTBの老舗の車種で、しかしこちらのタイヤは700 X 28Cとのこと。価格が特価となって居り、大きく心が動いたものの、最も小さな15''の各箇所の寸法を調べたところ、サイズ的にはどうもギリギリと云った風である。恐らくは仮に無理して乗れたとしても、細目のタイヤでサイズも一杯一杯と云うのは、とてもじゃないが、心地良く乗れたものではかろうし、第一、不安定で危険だよなぁ、と。


其処から移って、同社のラインナップを調べて見てゆく内、遂に理想的と思える車種を発見。しかもフレイムはアルミじゃなくてクロモリ、鋼製だ。ところが価格を見ると案の定、五~六万円台。はて、この辺りで手を打つか。或いは、もうちいと粘るか。再びモニタを睨み据え、すっかりショボショボとなった目へ目薬を差して、小一時間。ようやっと予算内でその車種を買えそな店舗に行き当たる。



MARIN MUIRWOODS SE
こちらがその、一目惚れの君(笑)。安定感のある、太目の26インチを履いた緑の鋼の自転車はギアが24速、サイズは15''で大丈夫そうだ。乗り心地とタフさ、程好い速さとを兼ね備えて居り、小回りの利くのは勿論、遠出もできるとのことで、結構結構。頼もしい堅牢さの中にも、何処かとぼけた愛嬌の在る風貌が、一目見て好きになった。細部の意匠も凝って居るし、出がカリフォルニアってのも良い。
して、件の店舗である。税込み・送料込みで他所よりも一万円程安く提供して居り*1、その上更に前後フェンダー、ロック、サイドスタンド等々、総額にして七千円以上ものアクセサリを全て、無料のおまけに付けてくれる大盤振る舞いっぷりである。いやはや、素晴らしい。早ければ二三日中に発送とのことであるから、どうやらメーカー取り寄せでは無く、店舗に在庫を置いて居るのだろ。電脳店舗で自転車を買う、と云うのは、私のよな性質の者にとっては、なかなか不安の拭い切れぬものではあるが、近郊にこうした自転車を扱う専門店の無いことを考えれば、止むを得ない。*2意を決して、いざ注文!*3


程無く届いた連絡をドキドキしながら開封すると、「ご用意できます」との旨が記されて居た。嗚呼、ひどく長かった気のする疲弊の五日間が、遂に今日で終わった・・・。今のところ、週明けの火曜に発送予定なので、後は只、整備組み立てを終えての出荷を、指折り数えて待つばかり。労力は報われ、ようやくホッと胸を撫で下ろすことができた。そして何より良かったのは、是が緑最後の一台であったことなのである。

*1:ただしこの価格は15''に限ってのことなので、恐らくは、小さいサイズに需要が無かったのであろうと思われる。

*2:市外の町に一軒在ることは在るのだが、ロードバイクなどの高価な品が主体で些か敷居が高く、ましてこの車種の扱いも無いので・・・。

*3:払いは勿論、月賦だヨ!

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