双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

la vita continua

|蹴球|



カンピオナート最終節 ミラン VS ノヴァーラ
ミラン 2 − 1 ノヴァーラ


サヨナラ。有難う。大好きだった古兵たち。


ピッポガットゥーゾネスタ。そして恐らくは、セードルフも。ミランカルチョの一時代を築いたベテランたちが、この試合を最後にチームを去る。それはつまり、或る一つの時代が終わったことを意味するのだね。来季以降、かつてを知る古参はアンブロジーニ只一人となり、文字通りの新しい時代がまた一つ始まる。感慨深いと云うよりも、心にぽっかりと穴が開いてしまったみたいで、HMVの一号店が閉じると知ったときも、丁度こんな感じだった。自分とほぼ同世代の彼らには、往年の名選手らへ感じる憧憬や畏敬とは違って、共に並んで同じ時代を過ごして来たと云う、或る種の共感や特別の親しみのよな想いが在る。去る者の志は残る者、パトやチアゴ・シウヴァ、フラミニ、ボアテンクら若手が、できるだけ長く継いでくれたら嬉しく思う。
他所のチームを見れば、シーズン毎に監督が変わり、多くの選手たちが変わり、オーナーですらが突如変わることも、今やそれ程珍しいことでは無くなった。そうした世相の中でミランは在籍の長い選手も多く、比較的変化の緩やかなチームではあったろうけれど、それ故に、それでもいつかはやって来るこんな日を、とうとう迎えねばならない云うのは、やっぱり寂しいことなんだな・・・。
思えばビリーが去り、永遠のカピターノ、マルさんが去り。アンチェロッティの大将が去り、ピルロが去った。ルイ・コスタもシェヴァも、カカーも疾うに居ない。馴染み深い世代のミランは、年を追う毎に遠くなってゆく。段々に。けれどそれでもミランは続き、サッカーは続く。いつの時代もそうであったのと同じよに。其々の人生も、又。そして新たなシーズン。私はきっと、いつもと変わらず週末を待つのだろう。

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