双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

月曜散歩

|散策|

電車に乗って隣町へ。穏やかな海は、穏やかな青。
沖合いに幾つもの漁船を浮かべて。駅を出て歩き、
昼にワンタン麺を食べ、先日叔母から教えて貰った
お香の専門店を訪ねる。竹塀で囲まれた入り口から、
きれいに掃清められた飛び石の上を進めば、軒下に
無地の薄茶の麻暖簾。格子の引き戸が、からから。
小気味良い音立てる。畳三つ程のこじんまりとして
落ち着いた佇まいに、京都の『みすや』を思い出した。
掌に乗るくらいの小箱に入った”初梅花”と云うお香を
買い求める。すうとした竹の香を鼻の奥に留めながら
店を出て、てくてく歩けば、ビルの駐車場に寝そべる
大きな猫二匹。そおっと近付いてゆくと、爺様番犬に
吠えられて、御免御免と退散。猫らは、知らん振り。
その道すがらに見付けた蕎麦屋は、実にきりりとした
店構えに、やはり暖簾もきりり。次に出掛けて来たら、
お昼はここにしよう。いつもの喫茶店で珈琲飲んだら、
本屋に立ち寄って山渓買って。夕暮れ前に帰途に着く。

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