双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

とまどい

|日々|


郵便局まで小包を出しに行った帰り道。
遠く山肌を見やれば、ここ二日程の間に
すっかり、赤黄と色づいて居たのだった。
近頃の秋と云ったら短くて、いつ来たのだか。
いつ去ったのだかも曖昧に、冬を迎えてしまう。
心づもりの整わぬ間に。僅かの戸惑いの内に。
今年もまた、こうして秋をしみじみせぬまま、
気付けば冬と入れ替わって居るのだろか。
頬で、額で、測る空気は、乾いて冷たい。
襟巻きをぎゅうとやって、くんと風をかぐ。

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