双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

経過

|爺猫記|



丸一週間ぶりの通院。先週の血液検査とエコーの結果を聞く。ひと月の治療の甲斐在って(無かったら困るヨ…)異常値が随分と下がった他、腎臓の大きさも、前回とほぼ変わらず。とは云え、ガリガリポンの腹へ手を当てれば、肥大した腎臓が容易に確認できる大きさであることに、変わりは無いが。*1前々回の通院時の触診中、診察台の上へ人生初の粗相をしてしまった爺様。朝から寝て居たところを、そのままひょいと連れてきてしまったので、恐らくは頑張って尿意を我慢して居たのだろ。実に気の毒なことをしてしまった。大丈夫。爺さんの所為じゃないヨ、と慰めてやるも、自分でも余程にショックであったと見え、帰りの道中は意気消沈。しゅんとなって項垂れて居たのが、かえって是が引き金に奮起したか。一夜明けると、カリカリ餌を食べると云い、ここ最近はなおざりだった毛繕いも、こまめにするなど、急にしゃんとし出したのであった。
以来少しずつ食欲も戻り、夜にテレビを観ながら毛糸をいじって居ると、もぞと起き出しては傍らの座布団(爺専用)に寛ぐなどして、爺様は爺様なりの一日を過ごして居るのであったが、目方は2.5キロ台まで落っこちた。腎疾患を抱える場合、食べて居ても目方が減ってしまうのは、やはり仕方の無いことであるらしい。黒光りの自慢の毛艶も、すっかりぱさぱさと失せたものの、まぁ歳を考えれば相応なのかも知れぬ。物事は万事、受け取り方次第で如何様ともなるものだ。
膝掛けに暖かく包んでやって、一寸表へ出て月見などさせてやると、ほらと指差した方へ首伸ばし、お月さんをじいと見る。毛の下は骨と皮ばかりで、小鳥のよに小さな爺様だけれど、今まででいっとうかあいらしいと想う。自棄や負け惜しみなどからでは無く、心底そう想う。

*1:BUN(尿素窒素)が99.7→66.5 と CRE(クレアチニン)が4.2→2.9。当初は週二回だった点滴も、週一回程度となる。他には月二回の抗生剤の注射。カリカリ餌は腎臓病用の療法食だが、食べたり食べなかったり。ウェットフードを匙で口まで運ぶ方が多い。

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