双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

続・二十一世紀カメラ

|モノ|


臨時収入に気を良くし、其処へなけなしを足して、遂に。
デジタル写真機第一号を新調したのである。
これで再びすっからかん。


半年ばかり前に、知人よりお下がりを頂戴したと云うのは既に書いた()訳だけれども、とうとう心を通わすことが出来ぬまま、我々の関係は不毛と終わったのである。何が不毛と云ったって、二人の間のあの距離だ。両の手の親指と人差し指とで天地を支え、そいつを胸前に突き出す格好の構えは、ひどく心細い上にぎこちなく、幾度試そうとも受け入れ難い。終いには、ただ写真を撮ろうとして居るだけだのに、自らが軽薄に手を染めて居るよな疑心を招く始末。嗚呼、君とは暮らせないよ…。*1
己の技量はさておき、やはり私は銀塩カメラから遠く離れることの出来ぬ女なのだった。そこでずっと以前に、一目お見掛けした素敵なあの機種をふと想い起こし、興信所に依頼するまでもなく、自らこっそりと身元調査を開始。すると所詮は私風情には不釣合いの高嶺の花、とばかり想って居たのが、何やら、えらいお手頃価格で売りに出されて居るではないか。ようやく私の手の届くところへ降りて来てくれたのだ。そうとなったら話は早いもので、早速に手筈を整え、黒猫の兄さんが連れてきてくれるのを、にやにやしながら待って居た次第。


・・・・・・と、前置きが長くてすみません。はい、こちら。
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RICOH デジタルカメラ GX200 VFキット GX200 VF KIT

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嗚呼。この銀塩カメラにも似た無骨な佇まい。しかも小ぶりななりの中には、非常に細かなマニュアル機能が、まぁ驚く程みっしりと搭載されて居りまして、自分好みの様々なカスタマイズが可能。*2そして何より、この着脱式のビューファインダが、何処かちょんまげみたいで、実にお茶目ではありませんか。萌えます。ええ、どうせ私は、ファインダが無ければカメラと呼びたくない、捻じれた昭和の女です。いつぞや見た際は七万円近くで売られて居て、哀しいかな。全く手が出せなかったのだけれども、数年経って大分価格が下がったのか。この度は二万七千円程で買い求めることが叶い、まさに至福の心持ちであります。
手付かずの状態で幾つか撮ってみた後、取説片手にああだこうだいじくって、一先ずは自分仕様に調節してみましたが、何しろ未だ、本日お迎えしたばかりです故。先は急がず、気長にのんびり付き合いたいもの、と想って居ります。


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初日の記念に一枚。



秋の気配がうっすら漂ってきた気がして、夕刻の空なんざ撮ってみる。

*1:ですから、お下がりは再びお下がりとなって、義妹の元へ貰われていったのでありました。

*2:分不相応と云うか、果たしてこれだけの立派な機能を、ちゃんと使いこなせるのかしら・・・。甚だ怪しいぞ(苦笑)。

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