双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

ハドソンさんになりたい

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NHK-BSプレミアムにてBBCの海外ドラマ『シャーロック』を三夜連続放送中。
(NHKの公式HPはこちら→)



"Sherlock" trailer

いつの間にか古典的な探偵の代名詞となってしまった「シャーロック・ホームズ」。しかし、元来、彼は非常に現代的な男だった。シャープで気難しく、ちょっとアブナイ男。今、シャーロックがその本来の姿で戻ってくる。
自称「コンサルタント探偵」のシャーロック・ホームズと、元軍医ジョン・ワトソン。シャーロックの頭脳とジョンの現実主義が融合し、複雑な迷路のような謎をひもといていく。コナン・ドイルの原作を大胆にアレンジした「21世紀版シャーロック・ホームズ」。
(公式HPより)


現代版シャーロック・ホームズと云うので、馬車がタクシーになり、パイプがニコチンパッチになり、他にもスマートフォンやらPCやらGPSやら、ハイテク機器が大活躍*1なのはご尤もとしても、やはりシャーロックの奇人っぷりが愉しい。検証のためだ、と検死室のフレッシュな遺体に乗馬鞭を容赦なく嬉々と振り下ろし、意識をフォーカスさせるのに、ニコチンパッチを過剰貼付。周囲からはサイコパスなんて呼ばれて、相当アブナイ男と思われて居るのだけれど、本人曰く「高機能社会不適応者」なのですって。フフフ。事件と聞いただけで異常に興奮するし、それが連続殺人なら、恍惚の表情で尚うっとり。お馴染みの薬物ネタ、女嫌いネタも健在。自分以外の人間は軒並み馬鹿呼ばわりの、ナルシスティックでサディスティックな高慢さも、ふとした瞬間にちらと覗く冷ややかな色気も、品の在るスマートな奇人っぷりに相応しく、実に宜しいのではないかしら、と。それに、彼の着て居るツイード地のコートが、是また素敵なの。
相棒のワトソンもワトソンで、アフガンからの負傷帰還以来、片脚を引き摺って居るのは、PTSDの所為だと診断され*2、本人もすっかりその気になって居る。それじゃ、よっぽど戦が酷いトラウマとなってしまったのねぇ、と思いきや、実は全くその逆で、戦場が恋しくてしゅんとして居ただけだった、と(笑)。それがシャーロックと一緒だと、否が応にも危険が舞い込み、ハラハラできるとあって、犯人追跡の際なんざ、遂に脚のことも忘れて倫敦の街を全力疾走。つまり、普通が死ぬほど退屈な二人なのだ。
めまぐるしくスリリングな演出は、捻りと緩急が随所に効いて居て面白いし、傍若無人なシャーロックと、知り合ったそばから振り回されっぱなしのジョン、彼らのやり取りも可笑しいのだけれど、初回から、すわモリアーティ登場?否々。実はシャーロックの兄貴・マイクロフトでした、と云う最後のオチには、まんまとしてやられた格好。シャーロック役のB・カンバーバッチ*3は、何処かで観た顔だと想ったら『つぐない』に出て居たな。決して美男と云う訳では無いのだけれど、私、この手のエレガンスなへんてこ顔紳士が、結構好きなのだと想う。そうそう。ジョン役のM・フリーマンって『ホビットの冒険』でビルボ役なのね。それに、レストレード警部がR・グレイヴス!すっかり白髪で老けちゃって、一寸モウリーニョみたいだった(笑)。


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参考までに、こちらM・フリーマン演じる若ビルボ。

成る程、確かにホビットだわ。

*1:劇中にも出てくるジョンのブログ。(→)ちゃんとコメントまでくっついて、いやはや。凝って居りますな。

*2:実際に負傷したのは肩だった、と云うオチ付き。

*3:おお、彼も『ホビットの冒険』組か!スマウグと死人占い師(声)ですって。良い声だものねぇ・・・。

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