双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

合流点

|日々|


西日のようやく落ち着いた頃、鉢植えの水遣りに
表へ出ると、息苦しいくらいの熱気の中へ、北から
ひんやりした風が伸びてきた。ジョウロを手にして
水場へ立てば、左側はむわんと。右側はひんやりと。
丁度、身体は二つの違った温度の合流点みたいに。
奇妙な悪戯でもして居る心地で面白がったものの、
その内、気味の悪い胸苦しさを覚えて、すごすご退却。


やがて外気は北風の優勢となり、大きな雷を連れた
雨の加わったお陰で、幾分なりと落ち着いたのだろか。
アスファルトへ落ちた雨音が、車輪に弾かれてゆく。
相手の居ないトランプの札を切りながら、ぼんやり、
ただ、滲んだよな暗い空に雷の光るのを、見て居る。

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