|映画|
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数日前、久しぶりに『シャンドライの恋』を観てから、
それが薄い皮膜のよに貼り付いて、何故だかずっと
離れないままで居る。シャンドライのコートの深い緑。
キンスキーの部屋。螺旋階段。路地の雑踏。鍵盤。
平均律クラヴィーア。風に揺れる白いシーツ。陰影。
互いの間に置かれる距離。隔たった、孤独な距離。
言葉に代わって、視線や音楽が二人の心情を語る。
ひとつ。またひとつ。屋敷から消えてゆく家具と調度。
それでもシャンドライは、キンスキーに訊ねない。
スタインウェイが宙に吊られ、最後に運び出された後の、
がらんと寂しい部屋。床に寝転ぶキンスキーの面差し。
知りながら訊ねず、気付きながら伝えない。歯痒い想い。
幾度も幾度も書き直される、不器用な手紙。
まるで絵画のよな断片が、触れたら崩れてしまいそな
均衡の繊細さと狂おしさでもって、繋がって居る。
抑制の静かに効いた、退廃じゃないベルトルッチ。
哀しいまでに美しく、どこまでも切ない。
そしてとりわけ、デヴィッド・シューリスの手が素晴らしい。*1
□□□□
ベルトルッチは、この映画も好き。
最後に観たのは、もう随分と前だな。
また観たいのだけれど…。*2
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嗚呼。ドミニク・サンダの陶器の如き美しさよ…。