双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

Jardins sous la pluie

|縷々|


朝起きると、昨晩遅くに降った雨が路面に残って居た。
重たく湿った外気は、けれども肌に冷ややかで、
隣家の石塀越しの紫陽花が、曇天の下に緑色濃い。


かのシーボルト博士は、雨露を纏った紫陽花の佇まいを愛し、
日本から独逸へ苗木を持ち帰って、屋敷の庭へ植えたのだと、
はて。いつ何処で読み知ったのだったか。


学名のHydrangeaは「水の器」を意味すると云う。

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