双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

独立記念日の夜、自転車に乗って花火を見た。

|旅| |回想|*1



ダウンタウンでサンドウィッチを食べ、コロラド川にかかる橋を渡った。7月4日。インディペンデンスデイ。ハウディ!ボンネットを星条旗で覆った車から手を振ったのは、日に焼けた銀髪の女性だったろうか。滞在した夏休みの学生寮は一泊5ドルで、帰省しない学生たちが少し残っていた。夜に花火があがるの。4thストリートの公園から、よく見えるわ。ショートヘアーの似合う、そばかすだらけの小柄な学生が教えてくれた。君も一緒に行かない?あどけない顔に口ひげを生やしたもう一人は、ペイヴメントのTシャツを着ていた。遅い昼寝のあと。自転車を走らせ、三人で飛ぶように坂道をかけ下りた。時折ブレーキが軋んだ。公園は既に大勢であふれ、向かいのブリュワリーのテントには、長い列がいくつもできていた。やがて誰かが言う。ほら、はじまる!並んで夜空を見上げる私たちは、居残りの学生とストレンジャーだった。5日後、私はニューオリンズ行きのグレイハウンドに乗っていた。旅先で見た花火の記憶は、あの日飲んだドライソーダの泡に似て、少しほろ苦い。 ( Austin / Texas )




*1:キューピー・アメリカンマヨネーズ風、其の二。(其の一は→

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