双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

ひと月

|日々|


先月の震災から、丁度ひと月を数えた今日。
早いものだ。つい昨日の事みたいだのに。
あれやこれや、想いを馳せながら歩けば、
ふと見上げた空の下。小学校の校庭には、
小さく開き始めたばかりの、桜の木々が在った。
淡い桃色に混じって咲く、木蓮の白が眩しい。


夕刻に録画してあった試合を観戦して居ると、
叩きつけるよな大粒の雨に、大きな雷鳴が。
慌てて洗面所の小窓を閉めて観戦へ戻った途端、
低い地響きとともに、突如大きな揺れに襲われる。
今までの余震の中では、いちばん大きかった。
震度5強。本が崩れ落ち、電話機が吹っ飛び、
爺様(老猫)は駆け回る。長い揺れの治まった後、
嫌な予感を抱えて店へと向えば、案の定。
床には本や鉢植えが散乱し、壁からは額が落下、
その幾つかは割れて居た。幸いにも商売道具は
全て無傷であったので、早速床の上の本を拾って
棚へと戻し、粗方の掃き掃除などして片付ける。
その後も、小さな揺れは数分毎に繰り返し止まず。
「やれやれ…」 とすっかり是を観念し、爺様を膝に、
蹴球の続きを観て過ごした。明日は晴れるとさ。

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