双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

曰く付きアランセーター

|手仕事|


前作 (→) で調子付き、再び自ら起こした編み図でもって、この冬最後のセーターを仕上げる。大した技量も無いわりには、分不相応。手の込んだものに惹かれてしまう性分なのは、全く困ったもので、身頃にも袖にも面倒な模様を選んでは、編み図を幾度も書き直し、下手の横好きなりに渾身の一着…となる筈も、万事において詰めの甘いのが、私ホビのホビたる所以であったことを、つくづくと思い知る。
計算上では凡そ13玉が必要であったのだが、地元の毛糸屋で見付けた特売糸は丁度10玉。足りぬ分は他所で買い足せば宜しいかと、一先ず10玉全てを買い求めて、早速に編み始めたまでは良かった。ところが、是どうやら廃盤毛糸であったらしく、慌てて電脳店舗を片っ端から探し回るも、見付からず。既に身頃、右袖を編み終え、左袖の肘の辺りまで来たところで、いよいよ糸切れと相成り。ここで遠く途方に暮れる。
とは云え、もうじきに編み上がるものを、いつまで途方に暮れて居ったところで仕方があるまいと、手に入る糸の中から、最も近いもので代用する案をとることとした。*1問題の糸はハマナカの ”サンキュー!モア” なる糸。大変編み易く、模様もきれいに出るので重宝して居たのだがなぁ。太めの並太糸で、適応針は8〜10号。糸端片手に見本帳を見せて貰いながら探るも、無情哉。こちらの思惑に合う糸は、遂に見付からず。長らく思案の末、色の若干異なるのは、この際仕方無し。同社の ”メンズクラブマスター” で、不本意ながらも妥協に落ち着いた次第。ちなみにこちらは極太糸。適応針は10〜12号であるため、針の号数を落とすことで何とかゲージを合わせた。


こちらがその不本意な、ちぐはぐ濃紺アランセーター。


嗚呼、糸さえ足りて居ったら、どんなに良かったか。
さて。この度、変わり鹿の子編みに代えて、身頃と袖の両サイドへ持って来たのは、broken rib 。所謂一目ゴム編みの変形の一つで、裏編みの列だけが鹿の子となる編み方である。是のお陰で、模様がたっぷりと入っても、全体的にすっきりとした見栄えとなった。


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身頃の模様なんぞ。


ケーブルは二種類。中央のは伝統模様の一つ。


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嗚呼。是が問題の接ぎ部分。*2


袖の肘から上と、肩のラグラン線を堺に、色が…。
ええ。勿論、とっくりの部分も、ですヨ。

たとい色が少々違ったとて、まぁ宜しいか。
一寸くらい欠点の在る方が、愛着も湧くと云うもの。
堂々と臆せずに着て、毛玉を山ほど拵えてやるのだ。


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副産物。


前回と今回とで余った糸を使用。

*1:「新たに糸を買い直せば良いのでは?」なんてのは、云いっこなしね(苦笑)。

*2:実際に身に付けてみたところ、思った程は目立たぬ、と云う意見も。

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