双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

女四人正月

|日々|


晦日元旦と、実家に親戚宅に、ほぼ
おさんどんして過ごし、休みの最後である
本日となって、ようやく人心地ついて居る。
とは云っても、掃除に山程の洗濯など。
我が雑事に半日を割き、夕刻近くになって、
やれやれと茶をすすって居るところへ
すわ、電話が鳴る。H叔母であった。
「あんた、暇ならちょっと出掛けない?」
普段は外出の機会の殆ど無い、足の不自由な
祖母と、施設に独り住いの大叔母ヨネちゃんの
二人を連れて、僅かながらも正月の外の空気を、
と考えてのことらしい。身支度を整え半時程で
三人の乗った車が到着。旧国道を走りながら
のんびり隣町の駅前へ向かう。車を降りると
祖母を車椅子に乗せ、ヨネちゃんは杖。
四人して、薄暮の終わりの街路を歩く。
「なあんだ、電飾終わっちゃったのねぇ。」
「そうだよ。年末で終わりだよ。」
H叔母は、電飾を見せてやりたかったのらしい。
あっと云う間に日が落ちて、広場に人は疎ら。
ヨネちゃんが日用品を買いたい、と云うので
スーパーへ寄り、買い物に付き添ってあげる。
「叔母ちゃん、珈琲でも飲んでいこうか。」
茶店で珈琲とサンドウィッチなど。
婆ちゃんは、お砂糖幾つ?二つ入れて頂戴。
中年二人に老婆が二人。独身女四人の正月。

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