双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

秋の雨

|日々|


朝の薄寒さに、半分眠ったまま布団の端を
ものぐさに手前へ手繰り寄せる。外が暗い。
休みだからと、そのまま惰眠に委ねるつもりが、
結局眠りに戻れず、もぞもぞと寝床から出た。
掃除を済ませ、茶を淹れて是をすすりながら、
午前中は、手袋の続きを編むなどして過ごす。
午後になると、一旦は止んだ筈の雨が再び戻り、
さて、如何とするかな…と躊躇したものの、
ツイード地のハンティング・ジャケットを羽織り、
当初の予定通り散髪に出向く。襟足は刈上げ。
夜に茶を淹れながら、鰹縞の綿入れの前を合わせ、
ぐるり、手狭な部屋の中を見回してみる。
日々の様々が、秋の支度を必要として居るのに、
未だちぐはぐのままに、整っては居ない。

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