双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

使い道

|モノ|


先週、ソロテントを取りに実家へ寄った際、
押入れの天袋に、父が若い頃使って居た
山道具諸々を仕舞って在ったのを想い出し、
もののついでに確かめてみた。母の話によれば
数年前、私のガールスカウト時代の荷物*1と共に、
粗方は始末してしまった、とのことであったが、
それらしき段ボールを見付けたので、よいしょと
引っ張り出す。使い込まれたアルミのコッヘル。
入れ子式で、鍋兼器が大小一つずつと
小さな薬缶も入って居り、父はもっぱら鍋で
ラーメンを煮て居たのらしい。煤は洗うと取れた。
真新しいハバーザックは、ボーイスカウト仕様だ。*2
それと、十分に年季の入った大型の帆布ザック。
今や見掛けることも無くなった、矢鱈に馬鹿でかい
あのキスリングである。私もスカウトの山行では
キスリングを背負わされたものだ。今のザックに
比べたら相当背負い辛かったし、パッキングにも
四苦八苦した記憶が在るから、今更に是を使おう
などと云う酔狂な気は起こらぬが、詰め込めば幾ら
でも入りそうな収納力は、拙宅の押入れ内で役立つ
であろうと、先の二つと共に持ち帰ることとした。
持ち帰って二日程天日に干したのを、今日になって
ようやく持ち出し、季節外の衣料や夜具など包んだ
風呂敷包みを、底からぎゅっぎゅと詰めてゆけば、
六つがここへすっかり収まり、未だ尚余裕が在る。
しかし斯様に、本来の役目から離れてしまっては、
何やら気の毒となってきて、ならば山道具を仕舞う
のに役立って貰うのが、最も相応しいのじゃないか?
と考えた。けれども、折角詰め込んだ風呂敷包みを
再び元に戻す、と云うのも口惜しく又面倒なので、
もう暫くの間は、そのままにしておくこととする。

*1:ロープワークの本やら入れ子の食器やら飯盒やら色々。

*2:是は恐らく、父がボーイスカウトのボランティアを務めて居たときの物と推測。

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