双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

スローなブギにしてくれ

|ホビ吹|


オレのW杯は終わったぜ・・・。


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いやいや、ホビ吹くん。まだまだ絶賛開催中ですヨ!
アルゼンチンも応援して下さい。

|蹴球|


グループF 第3節 スロバキア 3 ― 2 イタリア


アッズーリ敗退。(しかもグループ最下位)
イタリア国民の皆さん。兄さんたちが飛行機で帰って来ても、卵やら腐ったトマトやら投げんでやって下さい・・・。

やはりイタリアと云う国は、尻に火がつかぬ内は本領を発揮できないのかも。そもそもが、完全無欠の強さ、完璧さと云うのは、この人たちには当てはまらんと云う気がするし、強さが在るとすれば、それは恐らく、一筋縄ではゆかぬじれったさと常に隣り合わせに在って、コンプレックス故のせめぎ合いだとか、何処か間の抜けた格好悪さみたいなものが伴ってこそ、と云う気がして居るのだが。(セコさや小ズルさも含めて。)しかし、あの最後の20分間に限っては、グループリーグ屈指の白熱であったよにも想う。
下馬評の低いのはいつものことで、グループリーグでの試合ぶりが宜しく無いのもいつものことで、それでも結局は何とかなってしまう、と云うおかしな国なのだけれども、今大会のアッズーリに対して、そうした楽観の持てなかった所以が、その理由付けに不可欠な ”何か”の抜け落ちによるのは、薄々ながら感付いて居たことでもある。それは恐らく運だとか、人だとか、そしてその結果としての一体感の希薄さ、バランスの悪さであったのかもし知れない。何れにせよ、戦術云々以前の問題かと思う。
小気味良いリズムでシンプルにパスを繋いでくるスロバキアに対し、イタリアはどうもすっきりしない。ルーズボールは殆どスロバキアに拾われて居たし、パスは繋がらずにカットされ、イージーなミスも頻発。不甲斐なさよりも、何処かで一つ二つ生じた狂いが、その後も噛みあわぬまま、ずっと続いてゆくよな心地の悪さが付き纏う。攻撃も今一つ。守備にもイタリアの長所は欠けて居たけれど、中盤の物足り無さは特に目に付いた。それが証拠に、未だ本調子で無いピルロが入ってからは、まるで別のチームではなかったか。緩急自在のリズムを作れるピルロ無しには、恐らく機能しないのが今のアッズーリの現状かと想う。デ・ロッシモントリーヴォも決して悪い選手では無いが、こと代表における中盤の要は、やはりこの人であることを痛感せざるを得ない。
それにしても、終盤の攻防は、それまでが余興であったと云う程に凄まじかった。正直、2点ビハインドとなったときは、これはもう、あちらさんのオウンゴールかPKでしか追いつけぬだろな・・・と諦めかけたのだが、窮地に追い込まれてようやく覚醒したか。流れの中からディ・ナターレのゴールで1点。その後3点目を奪われて、遂に息の根を止められたかと想えば、ロスタイムにクアリアレッラのゴールで、1点差まで詰め寄るしぶとさに、今更の底力を見る。あれこそがイタリアの真骨頂だ。逆境ナインならぬ、逆境イレブンとなったときこそが、あの人たちの本気なのだ(笑)。否、笑い事じゃないね。ああ云うのを、もっと早く観たかったんだよなぁ。もう一つ奇跡を望んだが、それは再び訪れる事無く、ハワード・ウェブのホイッスルが鳴った。
敵ながら天晴れの試合ぶりであったスロバキアだが、とりわけシュトゥルバの男気にじんと来た。あの男気と気骨が選手たちを支えたであろうことは、想像に難くない。そして、試合を終え、文字通り崩れるよにして男泣きするクアリアレッラの姿を見ながら、私も只ズルズルと泣いた。負けて尚強し、と云えぬのが辛いところだが、だらしないまま終わらず、最後にイタリア根性 (お家芸?) を見せて貰えて良かった・・・と、一先ずはそう云っておく。
だって、決勝トーナメントにイタリアが居ないだなんて。そんなのつまらんじゃないかよぅ・・・。*1

*1:こんなとき、ピッポ (この人も飛び道具の一つでしょ?) の不在がつくづく悔やまれる。

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