双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

田舎者が食う田舎大福

|雑記|


午後、近所のスーパーへ行く。
会計を済まそうと通り掛かった棚に、見慣れぬ
袋入りの大福を見付けたもので、つい手に取る。
「田舎大福?」 商品名を小さく呟いて、暫し
是をじいと見詰め、豆大福か。或いは、その隣の
草大福かを自分なりに悩んだ末、結局は手にした
豆大福をそのまま籠に入れて、買って帰った。
一つ一つが個別包装であったり、過剰と映る容器に
詰められたのでも無く、何しろ、六個の平べったい
豆大福が、商品名の印刷された只のビニル袋に
入って居るだけの素朴極まりないシンプルさは、
田舎大福その名に、好ましく相応しいではないか。
買って帰って、早速に三時のお茶受けとした訳だが、
大福をかじりかじり、何処で拵えて居るのかな?
ひょいと袋を裏返して見てみると、何たることか。
製造会社の所在は「東京都千代田区」なのであった。


千代田区は田舎じゃないだろうよ!ちいとも!」
何やら、間抜け面してまんまと釣られたよな
口惜しい心持ちとなって、ほうじ茶をごくりとやる。

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