|ホビ吹|
丹げジムにもようやく、PCと云うハイテク機器が導入された模様です。
おっちゃんは張り切って、お盆に得意のいなり寿司を拵えました。
「おぉ!早速に事務でも覚える気になったか。
感心なこったよ。それはそうとおめぇ腹ぁ減ってねえか…
って、おいっ!いってぇ何してやがる!」
「何してやがるって、酷ぇなぁ。
おっちゃんが覚えろって云ったんじゃねぇかよ。
だからオレはこうして、慣れないながらもだね…
ハッ!!」
「ヘ…ヘヘッ、こりゃ面目ねぇや。しかし何だね。
このマウスってのはさすがネズミだけに、
ちょろちょろ勝手に動くもんなのかね。ヘッ。ヘヘッ」
林屋では、しらたき一つ満足に売れなかったホビ吹くんです。
横文字と数字の繰り出す、連続強打に酔ったのか。
それとも、力石くんがお盆だってんで帰って来たのか。
ちょっぴりゾッとしながらも、ホビ吹くんは皿の上から
いなり寿司を一つ。手掴みで頬張ったのでした。
「うめえよ。おっちゃん…」