双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

こんな私

|映画|


アメリ [DVD]

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声高には 「好き」 と云えぬことが、誰しも在るもの。
突然ですが。
私の場合、実は 『アメリ』 がそれで、先日のユロ伯父さん云々にも
繋がるのだけれど、巷の 「おしゃれなガーリィ映画」 的な扱いには、
どうにも違和感や居心地の悪さを禁じ得ず、我ながら
天邪鬼であるとは想いつつも、つい軽々しく 「好き」 とは口に出せず。
ええ。「好き」 どころか 「大好き」 ですとも。


デリカテッセン』 にしろ 『ロスト・チルドレン』 にしろ。
この人の眼差しの向けられるのは、大概が一般社会の
窮屈な範疇からは落っこちて居たり、外されて居たり。
枠内からはみ出てしまった、所謂 「異形の人びと」なのであって、
そこで描かれるのは、そんな彼らと彼らの世界への
深い愛情に充ちた、はみ出し賛歌じゃなかろかなぁ、と。
だからこそ、ぱっと見の 「おしゃれ」 は、強烈な毒っ気の
最大の隠れ蓑と云うのか、皮肉と云うのか。
意図した意地の悪い撒き餌みたいなものであろうて。


私、この映画は、心善き社会不適応者のための、
心優しきフリーク映画だと想って居ります。

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