双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

夕飯の匂いのする通り

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世界ふれあい街歩き』 は北京の前門界隈。
開発・建設ラッシュに沸く北京にあって、
この界隈は未だ、下町の風情を色濃く残して居る。
清朝の頃からの老舗も建ち並ぶ、差し詰め
アメ横風情の賑やかな商店街を抜けると、胡同。
背の低い街並み。庶民の地に足ついた生活の匂い。
ご近所同士のお付き合い。元気なお年寄りたち。
三輪自転車を漕ぐ音。荷台に積まれた練炭
こじんまりした長屋。銭湯。肉屋の店先には
大きな塊がぶら下がり、八百屋ではセロリが山積み。
胡同に刻まれた風景と、そこにある生活の佇まいは、
いつか何処かで知ったよな、埃っぽい懐かしさを
遠く呼び起こす。心地良い活気とのんびりした
穏やかさの同居する、昔ながらの胡同の暮らし。
嗚呼、どうかこんな風景が無くならないで欲しい。
あたたかな心持ちのまま、しみじみと眠りに就く。

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