双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

|徒然|


先だって録画をお願いしてあった、BS朝日
『イタリアへ』のテープを頂いたのだが、はて。
どう云う訳やら、番組の半分辺り、丁度
ヴェネツィアのくだりの途中で突然、画面が
別の番組に変わってしまって居た。思うに、
録画中の気付かぬうちの事故と想像する。
前回と云い、今回と云い。私とこの番組とは
つくづく縁が無いよな気がしてくる…。
もしかすると、須賀さんがこっそり
「 靴探しを何かに頼ってはだめよ。
自分に合った靴は、自分でお探しなさい。 」
と、知らせたかったのかも知れない。
須賀敦子と云う人の歩いた道を、私にぴったり
合った靴で、私の足で実際に歩いてこそ
初めてそこに、意味が生まれるのかも知れないな。
そう思ったらいつの間にか、昨夜の落胆から
するりと抜け出せた。


きっちり足に合った靴さえあれば、
じぶんはどこまでも歩いていけるはずだ。

きっちり足に合う靴は、恐らく容易には
見付からない。最初からしっくりくる靴も在れば、
手にした瞬間から惹かれ合うものが在っても、
自分の靴だと思えるまでに、時間のかかる靴も在る。
わたしにとっての「きっちり足に合った靴」は
何処にあるのだろ。ひょっとするとそれは、
今履いて居る靴なのかも知れないし、或いは
そうでは無いのかも知れないけれど、いつか
そんな靴を手に入れたなら、そのときには
彼女の歩いた道を、私の足で歩きたい。

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