双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

雨の音

|旅| |回想|


予報通り、今日は雨となった。
明日も天気が悪いらしいけれど。
こうしていると、雨音のおかげで外が
かえって、静かになってゆくのが良く分かる。
それに混じって、蟋蟀が鳴くのも聞こえる。
猫はさっきからずっと、私から微妙な距離をとり、
寝たふりを決め込んでいるらしい。
またいつかの長距離バスでの旅を、思い出している。
深夜遅くに、乗り換えで降りただけの
誰も知らない、あまりにも小さな町での
煤けたよな、雨上がりの匂い。
カリフォルニアやニューヨークだけが
アメリカじゃない。あそこは特別なのだ
と、誰かが云っていた。

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