双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

旅の記憶

|旅| |回想|


他人の旅話を聞いたり読んだりすると
つい、自分も旅に出たくなる。
それが無理ならば、
いつかの旅の記憶の品々を、
押入れの箱から、こっそり探し出してみる。
長距離バスのチケット。
折り目の擦り切れた地図。
誰かの書き込みのある、
破れて草臥れた時刻表。
そう云った品々を手にすると、
遠くにあった筈の旅の記憶は、ぼんやりと
そしてやがて、確かとなって戻ってくる。
けれど、ときたま思うのは、
こうした旅の記憶の半分が、恐らく
それを思い出したときに
作られているのかも知れない、と云うこと。

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