双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

三月雑感

|縷々|


ついこないだ開いたばかりの木蓮が、生成り色から茶色く萎れて散り始め、
それと入れ替わるよに、今度は枝ばかりだった桜の蕾が見る間にふっくらとし、
目に入る景色の全体が、淡く淡く薄桃色に霞がかかったみたいだ。
嗚呼。三月が、ふうっと緩んで居る。


ここのところずっと、不可抗力と云うのだろか。
何だかんだで間に挟まれたり、否応無しに関わらざるを得なかったり。
身動きの取れぬよな息苦しい日々が続いて、現状に苛々としながらも
只巻き込まれるままに、すっかりへたって疲弊し切って居たのだけれど、
どうやらそれも、じきに終いかも知れぬなぁ。
ぼんやりと春色に滲んだ空を見上げると、そんな気がした。
さらば、三月。さらば、煩い。

日々は流るる

|縷々|


二月の末より三月に入ってからの暫く。
日々は遅々として、半分閉じかかった瞼に同じ
鈍重な歩みでもって、ちいとも進んだ心地がしない。


手の届くところで。手の届かぬところで。
失望だとか諍い事だとかが多々と在り、
それを知って悲しくなったり、遣る瀬無かったりする。
厄介事にシャツの裾を引っ張られ、慌てて振り払う。
そうこうして、気付いたら、ぬかるみの中に突っ立って居た。
ぬかるみに足を取られたまま、ぼんやりして居たら、
いつの間にか、鉢植えの河津桜が咲いて居た。


何だ。日々はちゃんと流れ、動いて居たのだ。

園芸覚え書

|庭仕事|


以下、作業日誌。
是にて、バラのお嬢さん方の冬仕事は、全て終了と相成り。

蔓バラの誘引作業

  • 『Mme.ピエール オジェ』(地植え)
  • 『ラ・レーヌ・ビクトリア』(地植え)
  • 『Mme.アルフレッド・キャリエール』(12号鉢)


誘引の前に準備。先ずは枝を固定して居る麻紐を切って、ワイヤーから全ての枝を外す。続いて壁面へ張ったワイヤーの緩んで居る箇所を、再度ぴんと張り直し、ワイヤーの在った方が良さそな箇所には張り足す。ここで壁面と窓ガラスの汚れもついでに掃除。
そうして下地の整ったところで、いよいよ誘引作業。前回の作業で大雑把に剪定はしてあるが、必要に応じて剪定も施しつつ、太い枝から先に誘引。以降は細い枝、短い枝をバランス良く配置、固定してゆく。脚立を上り下り、右へ左へしながら小一時間ほど掛かって作業終了。

ルトルルチアを弔う

実は残念なことに『リトルルチア』の古株が根頭ガン腫病にかかってしまい、丁重に弔った。少し前に土を足そうと、株元付近を掘ったときに気付いたのだが、どうやら昨年にカミキリムシの被害にあった箇所を切除した後、そこから土中の菌が入ったものと思われる。享年二十歳。合掌。

冬の庭仕事は寒さや風との戦いである。だから私は最初から戦をしない(笑)。
つまり、比較的穏やかな風の無い天候の日を選んで作業を決行することとして居る。

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